■こんなところにもチェビシェフ多項式が現れる(その50)
(f,g)=∫(-1,1)f(x)g(x)dx
を内積と呼び,(f,g)=0のとき直交するという.
たとえば,ルジャンドル直交多項式は,母関数(1−2xt+t^2)^-1/2をtのべき級数に展開したとき
(1−2xt+t^2)^-1/2=Σφj(x)t^j
のt^jの係数がルジャンドル多項式であり,
φ0(x)=1,
φ1(x)=x,
から始めて,
φn(1)=1
という条件を課しておけば,これらは一意に定まり
φ2(x)=(3x^2 −1)/2,
φ3(x)=(5x^3 −3x)/2,
φ4(x)=(35x^4 −30x^2 +3)/8,
φ5(x)=(63x^5 −70x^3 15x)/8,
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・,
φn(x)=1/(2n ・n!)d^n/dx^n(x^2 −1)^n
で表わされる.
これらの多項式は互いに直交する.
∫(-1,1)φmφn dx=0 (m≠n:直交性)
(n+1)φn+1 −(2n+1)xφn +nφn-1 =0 (漸化式)
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一般化することを考える.区間[a,b],重み関数ε(x)とする.
(f,g)=∫(a,b)ε(x)f(x)g(x)dx
[1]a=−1,b=1,ε(x)=1/(1−x^2)^1/2
とおくと,チェビシェフ多項式,
T0(x)=1,T1(x)=1
Tn+1(x)=2xTn(x)−Tn-1(x) (漸化式)
チェビシェフ多項式は,以下のような母関数表示をもつ.
(1−t^2)/(1−2xt+t^2)=1+2Σφj(x)t^j
x=cosθとおくとき,
cosnθ=Tn(x),
sin(n+1)θ/sinθ=Un(x)
[2]a=−∞,b=∞,ε(x)=exp(−x^2)
とおくと,エルミート多項式,
Hn(x)=n!Σ(−1)^m(2x)^n-2m/m!(n−2m)!
が得られる.
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