■もうひとつのファイゲンバウム定数(その15)

 k=3では周期倍分岐を伴う.

  x1=f(x0)=kx0(1−x0)

  x2=f(x1)=kx1(1−x1)=k^2x0(1−x0)(1−kx0(1−x0))

は4次多項式であるが,

  x=0,1−1/k

が固定点であることがわかっているので,2次方程式に簡略化される.

 残りの2根は

  {(k+1)±{(k+3)(k+1)}^1/2}/2k

したがって,k>3ならば実根となり,2周期軌道が存在することがわかる.

 k=3において,2根は一致(x=1−1/k=2/3)する.逆に,k<3ならば2周期軌道は存在しないことを意味する.

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 この2周期軌道は3<k<3.44(=1+√6)ならば2つの極限値の間を振動する(周期2のサイクル).すなわち,安定であることが以下のようにして示される.

  {(k+1)±{(k+3)(k+1)}^1/2}/2k

の2根をp,qとおく.

  f^2(x)=f(f(x))=k^2x(1−x)(1−kx(1−x))

をxで微分すると

  λ=f’(f(x))f(x)

 pの分岐とqの分岐が同時に起こるとすると

  f’(f(p))f(p)=f’(f(q))f(q)

 λ=k(1−2p)k(1−2q)

=k^2(1−2(p+q)+4pq)

=4+2k−k^2

 よって,2周期軌道は

|4+2k−k^2|<1→.MkM1+√6において安定である.

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