■もうひとつの虹(その12)
主虹では外側から内側に赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の順に見え,その外側に,色の配列が主虹と逆順の副虹がうすく見える.副虹では赤が弧の内側になる.どうして虹は多色なのか?
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【1】虹の散乱と微分
D(i,n)=π+2i−4arcsin(sini/n)
より,
∂D/∂n=−4∂/∂n{arcsin(sini/n)}
=4sini/n(n^2−sin^2i)^1/2
dD/di=0のとき,n^2−sin^2i=4cos^2iより
∂D/∂n=2tani/n>0
赤色光の波長と屈折率はλ=656.3,n=1.3318
紫色光の波長と屈折率はλ=404.7,n=1.3435
より,可視スペクトルの範囲でnの変化Δn=0.012が与えられたときのΔDは,n=1.33,i=59.4°とすると
ΔD=2Δntani/n=1.7°
であるから,主虹の角度の広がりは約1.7°(満月3個分)と計算される.
実際,赤色光の半頂角は42.3°,紫色光の半頂角は40.6°で,赤色の虹のほうが紫色の虹よりも上空に現れ,主虹ではΔD=1.7°となる.
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【2】赤外線の虹
長い時間が経過すると,太陽はだんだん冷めていき,波長は赤外線側にシフトする.遠い将来,虹はどう見えるのだろうか? 主虹はいまの位置よりも上空に,副虹は低空に現れるのである(実は,いまでも赤外線の虹は天空に存在していて,しかるべき方法を使えば写真に写すことができる).
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