■e^e (その5)
中学入試の問題では小学校では教えないはずの「ピタゴラスの定理」や「逆三角関数」が必要になるという.そんな問題を小学生にやらせて良いのかどうかと思うが・・・.
最近の算数・数学のカリキュラムはわからないが,π=3.14ではなく,つい最近までπ=3と教えていたというから,中学入試とのギャップは大きいに違いない.
[Q]e^eに最も近い整数を求めよ
は大学入試問題だそうである.テイラー展開よりも,もっと簡単なやり方はないものか?
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【1】無理数による挟み撃ち
2<e<3より
4=2^2<e^e<3^3=27
と上界・下界の差が大きすぎて,これでは何の手がかりもないのと同じである.
log102=.3010
log10e=.4343
log103=.4771
log107=.8451
はともかくとして,
√7=2.64575
√8=1.41421×2=2.82823
2<√7<e<√8<3
くらいは大学入試には要請されていると思う(要請されてしかるべきだろう).
exp(√7)<e^e<exp(√8)
であるが,このままでは計算できないから,やむなく
√7^(√7)<e^e<√8^(√8)
として評価を試みる.
√7/2log(7)<e<√8/2log8=3√2log(2)
両辺の相加平均
√7/4log(7)+3√2/2log(2)
で近似する事を考えてもlog2,log7がわからぬから,結局もとの黙阿弥.
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【2】有理数による挟み撃ち
2<e<3
5/2<e<6/2
10/4<e<11/4
21/8<e<22/8
10/4<e<11/4
はeの比較的よい近似値である.
(10/4)^(10/4)<e^e<(11/4)^(11/4)
開平法を知っていることを仮定するが
(10/4)^(10/4)=10^2/4^3・4√4^2・10^2=9.88212
(11/4)^(11/4)=11^2/4^3・4√4・11^3=16.1497
は手計算でもできるだろう.しかし,依然として上界・下界の差が大きすぎる.
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