■確率論の始まり(その2)
(その1)で取り上げた問題は以下のものである.「コインを投げて,表が出たらAに1点,裏が出たらBに1点入る.10点先取したほうが勝ちとなる.現在,Aが8点,Bが7点獲得しているのであるが,ゲームを中断せざるを得なくなった.掛け金をどう分配すればよいのだろうか?」
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[A]あと最大4回投げると勝敗が決する.すべて列挙すると
表表表表 表表表裏 表表裏表 表裏表表 裏表表表
表表裏裏 表裏表裏 表裏裏表 裏表裏表 裏裏表表
表裏裏裏 裏表裏裏 裏裏表裏 裏裏裏表 裏裏裏裏
16通り中,Aが勝つのは11通り,Bが勝つのは5通り→11:5に分配する.
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この問題をパスカルの三角形を使って解いてみたい.パスカルの三角形は2項係数の表である.
1
1 1
1 2 1
1 3 3 1
1 4 6 4 1
4回コインを投げて表が
表が4回出るのは1通り,
表が3回,裏が1回出るのは4通り,
表が2回,裏が2回出るのは6通り,
表が1回,裏が3回出るのは6通り,
裏が4回出るのは1通り,
したがって,2回以上表が出るのは
1+4+6=11通り
Aが勝つのは11通り,Bが勝つのは5通り→11:5に分配する.
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