■3次方程式の解の公式(その2)
(その1):x=(2+√(−121))^1/3+(2−√(−121)^1/3は整数である
を補足したい.
これは,x^3−15x−4=0に,a=−15,b=−4としてカルダノの公式をあてはめてみた結果である.
2+√(−121)=(2+√(−1))^3
2−√(−121)=(2−√(−1))^3
(2+√(−121))^1/3+(2−√(−121)^1/3=4
と書き換えることができる.
x^3−15x−4=(x−4)(x^2+4x+1)=0
において,x^2+4x+1=0は2つの虚数解をもつので,x=4でなければならない.
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【1】カルダノの問題
カルダノはほぼすべての3次方程式の解を与える公式を知っていたが,その公式に拠ると
x^3=15x+4
の解は
x=(2+√(−121))^1/3+(2−√(−121)^1/3
になる.
彼はx^3=15x+4の解がx=4であることも知っていたが,
x=(2+√(−121))^1/3+(2−√(−121)^1/3
=(2+11i)^1/3+(2−11i)^1/3=4
であることを見抜いたのは,ボンベリである.
ボンベリは
(2+11i)^1/3=a+bi
(2−11i)^1/3=a−bi
の形の複素数になるであろうと推測した.その和が4ならばa=2であるから,
(2+11i)^1/3=2+bi
両辺を3乗するとb=1.
したがって,
x=(2+11i)^1/3+(2−11i)^1/3
=(2+i)+(2−i)=4
が成立する.
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