■素数もろもろ(その19)
d=−199の場合,
−199=1(mod4),ω=(1+√−199)/2,D=−199
M=2/π√-D=√199=8.9・・・
ですから,p=2,3,5,7
p : 2 3 5 7
χ(p): 1 −1 1 1
したがって,S={2,5,7}
p=2: P(x)=x^2−x+50=x(x+1)
→ p2=(2,ω),p2'=(2,1+ω)
p=5: P(x)=x^2−x+50=x(x−1)
→ p5=(5,ω−1)=(5,4+ω),p5'=(5,ω)
p=7: P(x)=x^2−x+50=(x+4)(x+2)
→ p7=(7,4+ω),p7'=(7,2+ω)
イデアル類群はp2,p5,p7の類で生成されるのですが,このあとの検索で
p7〜p2^3〜p5^6,p5^9〜1
であること,すなわち,イデアル類群はp5の類で生成される位数が高々9の巡回群であることがわかります.
しかし,イデアル類群がZ9であるのかまたはZ3×Z3であるのか,これだけではわかりません.そこで,
p5^3〜1
すなわち,p5^3=(x+yω)なる整数x,yが存在するかどうかを調べてみます.
両辺のノルムは
125=x^2+xy+50y^2
両辺を4倍すると
(2x+y)^2+199y^2=500
u^2+199v^2=500が整数解をもつことは不可能であることより,Hは位数9の巡回群になることが確定されたことになります.
h=9と定まりますが,h=9だけではHの構造決定(Z9,Z3×Z3)には何の役のも立たないからわけですから,生成元の間の関係を調べあげることによって,まさに一石二鳥が狙えるのです.
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