■素数もろもろ(その6)

 オイラーは素数をかなりの確率で生成する公式(2次多項式)

  n^2+n+41

を発見しています.この公式はn=0のとき素数41,n=1で素数43,n=2で素数47を与えます.このようにしてnが0から39までのどのnをとってもオイラーの公式はすべて素数を与えます.

 41,43,47,53,61,71,83,97,113,131,

 151,173,197,223,251,281,313,347,

 383,421,461,503,547,593,641,691,

 743,797,853,911,971,1033,1097,1163,

 1231,1301,1373,1447,1523,1601

 

 オイラーの公式はn=40で1681=41^2となって破綻しますが,1000万以下のnに対して47.5%の確率で素数を生成します.

 

 また,オイラーは,2次多項式

  fq(x)=x^2+x+q

において,qが素数

  2,3,5,11,17,41

のとき,

  fq(0),fq(1),・・・,fq(q−2)

がすべて素数になることを観察しています.(fq(q−1)=q^2は素数ではありません.)

 

 しかし,素数

  7,13,19,23,29,31,37

に対して,このことは成立しません.

  f7(1)=9,f13(1)=15,f19(1)=21,f23(1)=25,

  f29(2)=34,f31(1)=33,f37(1)=39

 

 これらの事実を確認するのは簡単ですが,しかしオイラーはどうやってこんな事実を見つけだしたのでしょうか.また,そうなる真の理由は何なのでしょうか.

 

 オイラーの有名な素数生成式

  n^2+n+41

は,(その5)で述べた虚2次体の理論と深く関係しているのですが,今回のコラムではもう少し掘り下げて再録してみたいと思います.

 

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