■五次方程式の非可解性(その24)

 3次・4次方程式の解の公式は16世紀ごろに発見されました。人々は5次方程式でも解の公式が発見できるに違いないと考えました。

 しかし、5次以上の方程式には解の公式は存在しないことをアーベルが証明しました。

 一方、ガロアはこの問題に対して、根本的に異なる視点で向き合いました。彼は解が存在するための本質的な構造を見抜くことで、どんな方程式が解をもつのかをすべて決定したのでした。

 ガロアは整数→有理数→2次の無理数→・・・のように数=四則演算ができる集合の概念をより広い数の世界に拡張しました。方程式を解くとこれまで知らなかった数が現れ、それらを加えて四則演算できるようにするとより広い数の世界が誕生します。

 この世界の解を入れ替えるとことは解の対称性を測る1種のパラメータとなっているのですが、解の公式が存在するとき、このパラメータが非常に特殊な対称性をもつときに限られます。

 5次以上の方程式の解はこの特殊な対称性をもつとは限らない→一般的には解の公式をもたないというわけです。

 彼は解が存在するための解の間に存在する対称性を見抜くことで、どんな方程式が解をもつのかをすべて決定したと同時に、現代数学の扉を開くことになったのです。

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