■クンマーの理想数(その9)

もし,仮に加法の素因数分解を考えれば,たとえば,

  10=3+7=5+5=2+3+5=・・・

と幾通りもの素因数分解が考えられるところである.(p(10)=41通りの方法がある.)

 それに対して,乗法の素因数分解は順序の違いを除けば1通りしかないというのが「算術の基本定理」である.

  10=2・5=5・2

  Z(i),Z(√−2),Z(√2),Z(√3),Q(√6)

など,Z(√m)という形の環(mは平方因子をもたない整数)でユークリッド整域になるものは20個くらいしかないことが知られていることを補足しておきたい.

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