■クンマーの定理(その20)
[補]ヴィーフェリッヒ素数
フェルマーの小定理より(2^(p-1)−1)/pは整数となるが,非常に稀にこの整数がpの倍数になることがある.そのとき,pをヴィーフェリッヒ素数という.ヴィーフェリッヒ素数はp=1093,3511が知られている.
なお,(3^(p-1)−1)/pが整数となるpとしてp=11,1006003が知られている.
[補]ヴィーフェリッヒの定理
フェルマー方程式x^p+y^p=z^pが非自明解をもつためには,pはヴィーフェリッヒ素数であることが必要である.
(2^(p-1)−1)/p=0 (mod p)・・・Wieferich判定基準
[補]クンマーの定理
フェルマー方程式x^p+y^p=z^pが非自明解をもつためには,
Bk=0 (mod p)・・・Cauchy-Genocci判定基準
0<k<1/2(p−3),B1=0,・・・,Bp-3=0
正則素数pはBp-3までのベルヌーイ数Bkの分子を割り切ることのできない素数として定義されていて,クンマーの定理によって正則素数であるすべてのnに対してフェルマー予想が成立すること,たとえば,100以下の非正則素数は37,59,67ですべてですから,この3つの数以外では100までのnに対してフェルマー予想が正しいことが証明されたことになります.非正則素数は無限に多く存在し,691も非正則素数のひとつです.そして,クンマーの定理を精密化したもの(詳しく正確にいったもの)は岩澤理論と呼ばれています.
また,x以下の非正則素数の数をI(x)と記すと
I(x)/π(x)〜1-exp(-1/2)=0.39346・・・
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