■クンマーの定理(その3)
【4】クンマーの定理
最初のブレークスルーは1851年,クンマーによってなされました.クンマーは円分体の整数論の研究に専念し,正則素数であるすべてのnに対してフェルマー予想が成立することを示したのです.正則素数pはBp-3 までのベルヌーイ数B1,B2,・・・,Bp-3 の分子を割り切ることのできない素数として定義されていて,100以下の非正則素数は37,59,67ですべてですから,この3つの数以外では100までのnに対してフェルマー予想が正しいことが証明されたことになります.
クンマーの定理
フェルマー方程式x^p+y^p=z^pが非自明解をもつためには,
Bk=0 (mod p)
0<k<1/2(p−3),B1=0,・・・,Bp-3=0
[補]ベルヌーイ数の分子の素因数分解は,正則素数の議論に用いられる.奇素数pがベルヌーイ数B1,B2,・・・,Bp-3の分子のいずれをも割り切らないとき「正則素数」,いずれかを割り切るとき「非正則素数」という.100以下の非正則素数は37,59,67(1850年)であるが,1874年には101,103,131,149,159の非正則性も示された.
n Bnの分子 素因数分解
0 1
1 1
2 1
4 1
6 1
8 1
10 5 素数
12 691 素数
14 7 素数
16 3617 素数
18 43867 素数
20 1746113 =283・617
22 8545513 =11・131・593
24 236364091 =103・224797
26 85531033 =13・657931
28 23749461029 =7・9349・362903
30 8615841276005=5・1721・1001259811
32 37・683・305065927
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円分体の類数が素数pで割り切れる素数が非正則素数ですが、100以下の素数についてまとめると
素数p 類数 余り
2 1 1
3 1 1
5 1 1
7 1 1
11 1 1
13 1 1
17 1 1
19 1 1
23 3 3
29 8 8
31 9 9
37 37 0(非正則素数)
41 121 39
43 211 39
47 695 37
53 4889 13
59 41241 0(非正則素数)
61 76301 51
67 853513 0(非正則素数)
71 3882809 32
73 11957417 17
79 100146415 48
83 838216959 42
87 13379363737 7
97 411322824001 53
100以下の非正則素数は37,59,67の3つのみとなります
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