■フェルマーの最終定理と楕円曲線(その13)

【2】y^2=x^3−x on F2

 F2で(x,y)の組み合わせは(0,0),(0,1),(1,0),(1,1)の4通りである.また,演算表は

  (+)          (×)      

  x\y  0  1    x\y  0  1

   0   0  1     0   0  0

   1   1  0     1   0  1

となる.

 −がはいると面倒だから,y^2+x=x^3で確かめることにすると

  (0,0)→○

  (0,1)→×

  (1,0)→○

  (1,1)→×

すなわち,F2において楕円曲線上の整数点は(0,0),(1,0)の2個である.

 ところで,F2ではx+1はx−1に置き換えられるからx^3−xはx(x−1)^2と因数分解される.重根をもつからy^2=x^3−xは楕円曲線ではない.

 重根がない場合はよい還元であるが,悪い還元(重根をもつ場合)であっても2重根の範囲にとどまるならばpで乗法的還元をもつ,3重根になるならpで加法的還元をもつという.そして,どの素数pで還元してもよい還元または乗法的還元しかもたないとき,その楕円曲線を半安定な楕円曲線と呼ぶ.すなわち,半安定な楕円曲線とはどの素数pで還元しても高々2重根どまりの楕円曲線のことである.

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【3】y^2=x^3−x on F3

 F3での演算表は

  (+)             (×)         

  x\y  0  1  2    x\y  0  1  2

   0   0  1  2     0   0  0  0

   1   1  2  0     1   0  1  2

   2   2  0  1     2   0  2  1

 9点について,y^2+x=x^3で確かめることにすると

 (0,0)→○   (0,1)→×   (0,2)→×

 (1,0)→○   (1,1)→×   (1,2)→×

 (2,0)→○   (2,1)→×   (2,2)→×

 F3において楕円曲線上の整数点は(0,0),(1,0),(2,0)の3個である.また,F3でy^2=x^3−xは楕円曲線(よい還元)である.

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【4】y^2=x^3−x on Fp

 演算表は割愛するが,F5において楕円曲線上の整数点は(0,0),(1,0),(4,0),(2,1),(3,2),(3,3),(2,4)の7個である.また,F5でy^2=x^3−xは楕円曲線(よい還元)である.

 以下,Fpでの整数点の個数をNpとすると

  p  2  3  5  7  11  13  17  19  23

  Np  2  3  7  7  11   7  15  19  23

となる.

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