■タブーを破った定理(その17)

 モーリーの三等分線定理の証明で、コンウェイは非常に単純な証明を考案している。

それはまず三角形を内角の三等分線で

中央の小三角形

3つの鋭角三角形

3つの鈍角三角形の7つの三角形にわける。

次に、鈍角三角形に鋭角三角形を内接させ、小さな二等辺三角形をつくる

最後に、7つの三角形を寄せ集めると三角形の中央の小三角形が正三角形でなければならないという趣向である。

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[参]ボロバシュ「数学の技法」丸善出版

にはこの方法も含め、2通りの証明が掲げられている。

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ABCの内角を3α、3β、3γとする。α+β+γ=π/3

PQRを内角の3等分によって作られる三角形とする。x+π/3をx*と書くことにする。

7つの三角形とはPQR

鋭角三角形αβ*γ*,α*βγ*,α*β*γ

鈍角三角形α**βγ,αβ**γ,αβγ**

三角形が集まる点で、頂角を合計すると2πで、集まる辺の長さも一致している。

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明らかでないのはα*、β*、γ*が主張通りの角度として現れるかどうかである。

力づくの証明となるが

sin3βsinγsinγ*sinγ**=sin3γsinβsinβ*sinβ**

であるならば、主張通りになるのであるが、ここで、

sin3x=4sinxsinx*sinx**=3sinx-4(sinx)^2

より、等号が成り立つ。

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