■光と音と

見る・聞くというのは目や耳という装置で光や音を受信し、電気信号に変えて脳が認識することである。その際、音と光の相違として2点を簡単に述べておこう.

 

 1つ目は色彩には3原色RGBがあるのに対して,音色にはそのような基本単位がないということである.これが色彩感覚と音色感覚との本質的な相違である.2つ目は周波数帯域(ダイナミックレンジ)の広さである.可聴範囲は20Hzから20KHzで約1000倍,一方,可視範囲は400nmから800nmで約2倍であるから,圧倒的に音の周波数範囲が広いのである.

 

ダイナミックレンジの広狭は電気信号に変えるときどのような違いを生ずるのだろうか?

 ところで,耳の性能は人によってさまざまだが,眼の性能にほとんど個体差はないように思われる.特定の人にだけ見えて他の人に見えない色は存在しないのだろうか? また,絶対音感をもつ人はわずか1Hzの周波数の違いでも聞き分けられるという.目で見る色は波長分布と一義的には関係していないので,色の目測は主観的になるのを免れないと思われるのだが,はたして,絶対色彩感覚というものはあるのだろうか? 

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