■膨張宇宙論(その13)
2006年の記事
水金地火木土天海冥のさらに遠方に10番目の惑星が存在するかもしれないという問題は数年前に「超冥王星」(2003UB313)が発見されて解決しました.この10番目の惑星が実際に存在するかどうかを解明するために長い歳月が費やされました.ずいぶん以前から9個の惑星は知られていたのですが,冥王星の外側にはもう一つ未発見の10番目の惑星(超冥王星)が存在するらしい・・・というまどろっこしい状態が続いていましたから,私はこのニュースを喜んで受け入れることができました.
ところが,今年のお盆に太陽系の惑星を12個に拡大する国際天文会議の提案がなされたというニュースが報道されました.そのなかには超冥王星のほか,従来は冥王星の衛星とされていたカロン,冥王星の外側ではなく火星と木星の間に小惑星帯にある最大の小惑星セレスも含まれていましたから,今度は戸惑いを禁じ得ませんでした.
私にとってセレスは非常になじみの深い天体なのですが,パラス,ジュノーは惑星に含まれないのか,さらに月やタイタンなどの衛星はどうなるのか,等々.小惑星(アステロイド)の中には,セレス,パラス,ジュノーのように直径が数百キロメートルのものもありますが,直径が1キロにも満たないものもあります.天体観測の精度があがるにつれて,ますます小さい天体が発見されていますが,どこまでが小惑星で,また,どこからが宇宙塵になるか区別することは天文学者にとっては興味のあることでしょう.しかし,私が調べた限り,その違いの明確な取り決めはなされていないようです.
惑星とは何かも定義されていないのですが,本日,さらに冥王星を惑星から外して太陽系の惑星を8個に縮小するという一転した案も報道されましたから,この状況はしばらく混乱が続く見通しです.注目していきたい.
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