■ロンパリ(その12)
ある四面体の相対する稜は互いに直交している.8個以上のこの四面体を稜同士を蝶番でつないでできる輪は,内と外が入れ替わりあうように連続的に回転することができる.正四面体でなく,細長くかつ平たい四面体では6個(鏡像体を3個ずつ交互に)をつなくだけでも回転する.
パウル・シャッツ環はパウル・シャッツ立体3対を使ったサメの顎のような動くおもちゃで,輪郭が正六角形となるとき中央には正三角形の穴があき,中央の穴が閉じたとき片面は正三角形の平面になる.これらはくり返し裏返せる多面体の輪になっているというわけで,撹拌装置の原理として広く使われている.
6個のパウル・シャッツ立体からなる環は常にタイトで,角度を決めれば形が一通りに定まる1自由度の系である.パウル・シャッツ環の秀逸さを示すものであろう.
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[2]ヨハネス・シェンケ環
それに対してヨハネス・シェンケ環は四面体の相対する稜の角度を変えて、任意の個数nの四面体を稜同士を蝶番でつないでできる輪で、互いに干渉することなく連続的に回転することができる.
n→∞の極限では、メビウスの帯状になるとのことであった。
昨日、ヨハネス・シェンケ環に関する勉強会があり、拝聴したところ、それはメビウスの帯というよりもヘキサフレクサゴンといったほうがよいと思われた。
メビウスの帯は180°ひねって糊付けした帯であるが,540°ひねって糊付けするとヘキサフレクサゴンができる.
ヘキサフレクサゴンはイギリスの数学者ストーンが考案したもので、180°の奇数倍ひねって糊付けした帯なので,表裏の区別のない帯になっている.裏返すことができるが、裏返しに際しては,3つの面がサイクリックに現れるという特徴がある.
以下の写真(提供:佐藤千種)はそれを利用して
[1]体をつくる食品(赤)
[2]エネルギーのもとになる食品(黄)
[3]体の調子を整える食品(緑)
を印刷してある.
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