■鳩ノ巣原理の例(その20)

[Q]1辺の長さ2の正三角形の内部に5点を配置する.このとき,距離が1以内の2点が存在することを証明せよ.

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[A]もとの正三角形を4つの小正三角形に分割する.ここに5点を配置するなら,最低でも2つの点はひとつの正三角形の中に属す.小正三角形の中にある2点の距離は1以内である.

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鳩ノ巣箱が10個あり、鳩が11羽いる場合、少なくとも一つの巣箱には2羽以上の鳩がいることになる。人間の毛髪の上限は約15万本とされているので、人口20万人の都市には毛髪の数が同じ人の組が必ずあるというのも同じ理屈による。

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  [参]前川淳「空想の補助線」みすず書房

によると、

5x5のマス目に3個の点をランダムにおいたとき、それが縦横斜めの1直線上に並ぶ確率は140/2300〜6%

4個の点を置いて少なくとも3個の点がに1直線上に並ぶ確率は約23%

5個の点を置いて少なくとも3個の点がに1直線上に並ぶ確率は約1/2

7個の点を置いて少なくとも3個の点がに1直線上に並ぶ確率は9割以上

11個以上では100%になるという。これも鳩の巣原理の例であろう。

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