■正多面体の正多角形投影(その6)

【1】3次の回転行列

 各軸周りの回転角θをオイラー角と呼ぶ.回転行列は

     [1,   0,   0 ]

  R1 =[0, cosθ,sinθ]

     [0,−sinθ,cosθ]

     [cosθ,0,−sinθ]

  R2 =[  0, 1,   0 ]

     [sinθ,0, cosθ]

     [ cosθ,sinθ,0]

  R3 =[−sinθ,cosθ,0]

     [   0,   0, 1]

として,A=R1R2R3のようなものを考える.

 空間を回転させる行列で直交変換となっているパラメータ数が3つの「回転」かつ「直交」行列として

  (1)オイラー角に基づくもの

  (2)ロール・ピッチ・ヨーに基づくもの

がある.(1)はz軸まわりの回転α→新しいy軸まわりの回転β→新しいz軸まわりの回転γ,(2)はz軸まわりの回転φ→新しいy軸まわりの回転θ→新しいx軸まわりの回転ψの3段階によって表すもので,両者に本質的な違いはない.いずれにせよ,軸周りの回転の順番を変えると結果が違ってしまう.

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【2】3次元の回転

 x,y,z軸の周りの回転では使いにくい.そこで,単位ベクトル

  n=(α,β,γ)

を回転軸とし,その周りに正の回転方向にθだけ回転する回転行列はα,β,γは方向余弦で,α^2+β^2+γ^2=1を満たすものとして

  R(1,1)=α^2(1-cosθ)+cosθ

  R(2,2)=β^2(1-cosθ)+cosθ

  R(3,3)=γ^2(1-cosθ)+cosθ

  R(1,2)=αβ(1-cosθ)+γsinθ

  R(2,1)=αβ(1-cosθ)-γsinθ

  R(1,3)=αγ(1-cosθ)-βsinθ

  R(3,1)=αγ(1-cosθ)+βsinθ

  R(2,3)=βγ(1-cosθ)+αsinθ

  R(3,2)=βγ(1-cosθ)-αsinθ

で表される.

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α=β=γ= 1/√3

cosθ=-1/2,sinθ=√3/2

  R(1,1)=α^2(1-cosθ)+cosθ=1/3(3/2)-1/2=0

  R(2,2)=β^2(1-cosθ)+cosθ=0

  R(3,3)=γ^2(1-cosθ)+cosθ=0

  R(1,2)=αβ(1-cosθ)+γsinθ=1/3(3/2)+1/2=1

  R(2,1)=αβ(1-cosθ)-γsinθ=1/3(3/2)-1/2=0

  R(1,3)=αγ(1-cosθ)-βsinθ=1/3(3/2)-1/2=0

  R(3,1)=αγ(1-cosθ)+βsinθ=1/3(3/2)+1/2=1

  R(2,3)=βγ(1-cosθ)+αsinθ=1/3(3/2)+1/2=1

  R(3,2)=βγ(1-cosθ)-αsinθ=1/3(3/2)-1/2=0

[0,1,0]

[0,0,1]

[1,0,0]

これではNG

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