■クラスレート水和物の世界(その8)

【2】n次元空間分割と2(2^n−1)胞体

 オイラーの多面体定理を使うと

[1]2次元細胞の辺数の平均は≦6であり,すべての細胞が6辺以上の辺をもつことは不可能である

[2]3次元細胞の面数の平均は≦14であり,すべての細胞が14面以上の面をもつことは不可能である

ことが証明される.

 2次元細胞の多くは6角形であり,3次元細胞の多くには14面体であることはわかったが,4次元,5次元,・・・,n次元での空間充填多面体の基本形はどうなるのだろう? どのような形になるのかを知る人は(たとえいたとしても)非常に少ないであろう.

ここでは「n次元の舗石定理」をまとめておきたい.

[1]n次元空間充填では,各頂点の周りに少なくともn+1個の多面体が集まる(ルベーグ).

[2]n+1個のとき,ボロノイ細胞の面数は最大2(2^n−1)個で,安定な空間充填となる(コンウェイ).

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