■折り紙と作図不可能問題(その41)

【4】ミウラ折り

宇宙構造物の設計者,三浦公亮先生は不思議な開閉をする折り畳み式構造物を考え出された.これがミウラ折りであるが,学問的な名称は「可展二重波形面」(DDC surface)で,いたるところガウス曲率が0の展開可能面である.折り紙でモデルを作ることができるのはそのためである.

二重波形面を実現させるために山折りを谷折りに,谷折りを山折りに変換する操作をしなければならないが,こうして対称な4つの平行四辺形が結合したユニットの繰り返しからなる二重波形構造ができあがる.これがミウラ折りである.ミウラ折りは人工衛星の展開式太陽電池パネルやソーラーセイルに採用された.

ミウラ折りは折り紙で作ることができるのであるが,二重波形面を実現させるために山折りを谷折りに,谷折りを山折りに変換する操作をしなければならないので,馴れないと結構煩わしい.一般に普及しないのはそのためであろう.普及用に使えるようにとのことで,イメージミッション木鏡社よりミウラ折りエイドが発売中である.

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