■折り紙と作図不可能問題(その27)

【2】カテノイドとアンデュロイド

 

 プラトーの問題は,変分法の問題となり,実際に解くのは大変難しいのですが,ここでは簡単に解ける問題を扱ってみることにします.

 (問)互いに平行な2つの円形の枠に石けん膜を張ったとき,その形は?

 

 (答)この問題は「y=f(x)>0のグラフをx軸を中心に回転させてできる曲面の面積を最小にしたい.」と等価です.曲面の面積は

  S[y]=2π∫y(1+(y')^2)^1/2dx

で与えられます.

 

 懸垂線(カテナリー)の問題を変分法によって解いたのはベルヌーイであったのですが,これは懸垂線で考えた位置エネルギーの2π倍ですから,解は懸垂線を回転させたものであることが導かれます.

 

 懸垂線は与えられた2点を両端とする一定の長さの曲線をx軸を軸として回転させたときにできる曲面の表面積を最小にする曲線であることがわかります.カテナリーを準線のまわりに回転させてできる曲面は懸垂曲面(カテノイド)と呼ばれます.なお,カテノイドは,唯一の回転極小曲面であることも示されています.

 

 懸垂面は極小曲面(表面積最小曲面)の重要な例ですが,常螺旋面,エネッパー曲面,シェルク曲面など,極小曲面については非常に多くの例と結果が知られています.

 

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針金の枠に張った石けん膜は表面張力の影響で、表面のエネルギーができるだけ小さい状態をとろうとします。このとき、表面積はできるだけ小さい状態、すなわち、極小曲面になります。

極小曲面については非常に多くの例と結果が知られていて、カタランの極小曲面、コスタ曲面もその例です。カタランの極小曲面の自己交差ではサイクロイドが次々と連なった曲線が見られます。

 

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