■素数の分解(その37)
【1】平方剰余の相互法則
(a/p)=+1 ←→ aがpを法とする平方剰余
(x^2=a modpなる整数xが存在するとき)
(a/p)=−1 ←→ 平方非剰余(そうでないとき)
と定義します.
ax^2+bx+c=0 (modp),(2a,p)=1
の形の合同式を解を見出すことは
x^2=q (modp),(2a,p)=1
の形の合同式を解を求めることに帰着されます.なぜなら,この合同式は合同式(2ax+b)=b^2−4ac (modp)と同値.したがって,z^2=qに対応して,2ax+b=qを解けばよいからです.
そこで,整数aに対して,
x^2=a modp
となる整数xが存在するかどうかを考えると
Z/pZ=Fp={0,1,・・・,p−1}
について代入してみればいいわけで,p=5の場合,
0^2=0,1^2=1,2^2=4,3^2=9=4,4^2=16=1
ですから,a=1,4(mod5)のときは平方剰余,a=2,3(mod5)のときは平方非剰余,すなわち,
(1/5)=(4/5)=1,(2/5)=(3/5)=−1
となります.
(a/p)=a^{(p-1)/2} (mod p) (オイラー規準)
(−1/p)=(−1)^{(p-1)/2},p≠2 (第1補充法則)
(2/p)=(−1)^{(p^2-1)/8},p≠2 (第2補充法則)
すなわち,オイラー規準において,(−1/p)に関するものが第1補充法則,(2/p)に関するものが第2補充法則と呼ばれます.
オイラー規準は法pに関するa^{(p-1)/2}の剰余を求めなければならないため,pが大きいとき(a/p)を決定するのはかなり大変です.それに対して,
(q/p)(p/q)=(−1)^{(p-1)/2}{(q-1)/2}
が有名なガウスの平方剰余の相互法則です.
前述のように(p/5)は簡単に計算されますが,その際,(5/p)すなわちx^2=5(modp)なる整数xがあるかどうかについてもわかるというのが平方剰余の相互法則なのです.(a/p)はガウスの相互法則を用いてすばやく計算することができます.
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