■素数の分解(その18)
[1]フェルマーの定理(2平方和定理)
特別な素数である2を除外して,素数は4で割ると余りが1になるもの(5,13,17,29,37,41,・・・)と3になるもの(3,7,11,19,23,31,・・・)の2種類に分けられます.
このうち,4n+1の形の素数は2つの整数の平方の和として表されます.たとえば,5=1^2+2^2,13=2^2+3^2,17=1^2+4^2,29=2^2+5^2
しかし,4n+3の形の素数は1つもこのようには表せないのです.この定理はフェルマーの定理と呼ばれ,フェルマーは無限降下法でこれを証明しました.しかし,その証明は不十分で,100年後のオイラーによって完全な証明がなされています.
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素数を4で割った余りと素数が2つの平方数で表せる可能性とは、元来、まったく関係ないはずであるが、この定理の意義は複素数に範囲を広げた因数群会
p=x^2+y^2=(x+yi)(x−yi)
を考えると理解される。すなわち、pを4で割って1余る素数は複素数(ガウスの整数環)に範囲を広げると素数であり続けることはできず、分解されてしまうのである。
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pを3以上の素数とする。p=x^2+y^2を満たす整数x、yが存在すればpを4で割った余りは1である。
(証明)
(x、y)=(偶数、偶数)→pを4で割った余りは0である。
(x、y)=(偶数、奇数)→pを4で割った余りは1である。
(x、y)=(奇数、偶数)→pを4で割った余りは1である。
(x、y)=(奇数、奇数)→pを4で割った余りは2である。
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2平方和定理は「4で割ると1余る素数ならば,p=x^2+y^2となる自然数が存在する」でしたが,フェルマーは,
「pが8で割ると1または3余る素数ならば,p=x^2+2y^2」
「pが8で割ると1または7余る素数ならば,p=x^2−2y^2」
「pが3で割ると1余る素数ならば,p=x^2+3y^2」
となる自然数x,yが存在することも発見しています.(類体論)
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