■正五角形の近似(その4)
Vesica Piscisを用いた正五角形の近似的作図法が知られている.コンパスと定規を用いて,正六角形と組み合わせることで,許容内の精確さの正五角形が得られるそうである.計算して確かめてみよう.
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【2】Vesica Piscisを用いた近似的な内接正5角形の作図
[1]半径が等しく,その中心が互いの円周上にある4円が重なり合った共通部分の両端を点A(−1,0),点B(1,0)とする.ABが正5角形の1辺の長さとなる.
[2]点Aを中心とする円を第1円,点Bを中心とする円を第2円とする.
[3]第1円と第3円の交点が正六角形の頂点となる.点C(−2,−√3)とする.
[4]点Cと第3円上の点(0,2−√3)を通る直線と第2円の交点を点Dとすると,点A,B,Dが正五角形の3頂点となる.
点C(−2,−√3),点(0,2−√3)を結ぶ直線は
y=x+2−√3
(x−1)^2+y^2=4に代入すると
x^2+(1−√3)x+2(1−√3)=0
x=(√3−1+√(6√3−4)/2=1.90033
一方,
2cos(π/10)=√(2√5+10)/2=1.90211
と近似度は高いことがわかる.
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作図が近似なのかそうでないのかを調べることは、17世紀のデカルトによって解析幾何学が生み出される以前は難しい作業だったと思われる。
それ以前は様々な人が不正確な作図を正確な作図と思い込んでいた。上に示した作図法はダ・ヴィンチが用いていたものであるが、これは108度となるべき内角が108.36・・・度という近似になっている。
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