■サイクロイドの計量(その6)

【1】サイクロイド

古代ギリシャの人々は固定円上の回転円を使って惑星の軌道を説明した.しかし、円周の代わりに直線上を移動させることはギリシャ人から関心を示されることはなかった.サイクロイドは自転車の車輪に固定された点の軌跡であるが、長い間忘れ去られた曲線であったのである.円と直線のごく自然な組み合わせからなり (直線や円の次に)最も自然な曲線として、ガリレオによってサイクロイドという名前が与えられたのは1599年のことである.ホイヘンスはサイクロイドが唯一の等時曲線であること、ヨハン・ベルヌーイはサイクロイドが最速降下線(重力だけの影響下で、最も速く滑り降りる坂道の形状)であることを発見した.

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【2】ガリレオの問題(サイクロイドの面積と弧長)

17世紀初め(現在ある積分法の成立前)、サイクロイドが囲む面積の計算は当時の偉大な数学者たちの関心の的であり、中心的な問題でもあった.ガリレオ自身はサイクロイドが囲む面積を求めることはできなかったといわれているが,円を多角形に置き換えて折れ線で囲まれた面積を求めれば答えを得ることができる(一種の区分求積法).

[Q]サイクロイド弧が囲む面積は?

[A]サイクロイド弧が囲む面積は回転円の3倍,弧長は回転円に外接する正方形の周に等しい.すなわち,回転円の半径が1のとき,サイクロイド周長と面積はL=8, S=3π.なお,回転円の半径が1のとき,n尖点エピサイクロイドとn尖点ハイポサイクロイドの間の鉢形曲線の周長と面積はnの値にかかわらずL=16, S=6π.サイクロイドはホイヘンスによって振子時計の設計に使われ,そして積分法や変分法の研究に貢献したことになる.

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