■トーラスの計量(その9)
トーラス面
{(x^2+y^2)^1/2−r1}^2+z^2=r0^2
r0:パイプの半径,r1:輪の半径
の経線と緯線は円です.もちろん,赤道も円ですが,その他にも円が存在するそうです.
気づきにくいことですが,原点を通り,xy平面となす角度が
sinα=r0/r1
の平面による切り口も円(ヴィラソーの円)になります.この平面はドーナツ面の内側をかすめるように通ります.
素朴な疑問ですが,赤道(傾き0)とヴィラソーの円(傾きsinα=r0/r1)の間はどうなっているのでしょうか?
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z=mx (m=0〜tanα)
を代入すると
(1+m^2)x^2+y^2−2r1(x^2+y^2)^1/2+r1^2−r0^2=0
(1+m^2)x^2+y^2+r1^2−r0^2=2r1(x^2+y^2)^1/2
{(1+m^2)x^2+y^2+r1^2−r0^2}^2=4r1^2(x^2+y^2)
となって,あとが面倒である.
同じことであるが,xy平面を回転させてみると,
[x]=[ cosθ,sinθ][X]
[z] [−sinθ,cosθ][Z]
x=Xcosθ+Zsinθ
z=−Xsinθ+Zcosθ,Z=0
{(X^2cos^2θ+Y^2)^1/2−r1}^2+X^2sin^2θ=r0^2
(X^2+Y^2)−2r1(X^2cos^2θ+Y^2)^1/2+r1^2−r0^2=0
{(X^2+Y^2)+r1^2−r0^2}^2=4r1^2(X^2cos^2θ+Y^2)
(X^2+Y^2)^2−2(r1^2−r0^2)(X^2+Y^2)+(r1^2−r0^2)^2=4r1^2(X^2cos^2θ+Y^2)
となって,これは4次曲線である.
ここで,θ=αとおくと
cos^2θ=(r1^2−r0^2)/r1^2
(X^2+Y^2)^2−2(r1^2−r0^2)X^2−2(r1^2+r0^2)Y^2+(r1^2−r0^2)^2=0
本当に円になるのだろうか? 次回の宿題としたい.
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[補]ペルセウスの円環曲線
円環曲線はギリシャ人によって知られていたのですが,この研究を最初にしたのはペルセウスです(ペルセウスの円環曲線).17世紀に再発見されました.2次の多項式f(x,y)=0すなわち楕円,放物線,双曲線が円錐を平面で切断したときの切り口として現れたように,カッシーニ曲線(4次の多項式)はトーラス(ドーナツ)の平面による切断面として現れることが知られています.4種類に移り変わるのですが,4種類とは凸卵形,つぶれた卵形(変曲点をもつ繭形),8の字型(レムニスケート),2つに分かれたペアの卵形です.
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