■数直線上の集合(その21)
π−3=[0;7,15,1,292,1,1,1,2,1,3,1,14,2,1,1,2,2,2,2,1,84,2,1,1,15,3,13,1,4,2,6,6,99,1,2,2,6,3,5,1,1,6,・・・]
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円周率πの小数の数字列1415926535・・・はランダムでしょうか。その前に、無理数√2の小数の数字列4141213562・・・は乱数列とみなせるでしょうか。
ほとんどすべての無理数には、0,1,・・・,9が1/10の頻度で現れることが見いだされていて、√2の0〜9の数字の頻度や二数字の組の頻度と理論度数との食い違いを調べる頻度検定やポーカー検定などのランダム性を判定する普通の検定法では、一応乱数列といってもよいような状況ですが、πの小数の数字列と比べると不規則の度合いが低いことが知られています。
例として、われわれは、連分数展開によって
(1+√5)/2=[1;1,1,1,1,1,・・・]
√2=[1;2,2,2,2,2,・・・]
のように、1や2が無限に繰り返されるという規則性を見ることができますし、
√3=[1;1,2,1,2,1,2,・・・]
では交互に1,2が現れる循環連分数となります。
√5=[2;4,4,4,・・・]
√6=[2;2,4,2,4,2,・・・]
√7=[2;1,1,1,4,1,1,1,4,・・・]
連分数による実数の近似は、解を下方と上方から近似していく方法であって、ユークリッドの互除法に直結しています。一般に、√dの連分数展開は循環連分数となり周期性が証明されます。これは既約分数の小数展開が循環小数になることと対比するとおもしろい事実です。
また、超越数eの連分数展開は、
e=[2;1,2,1,1,4,1,1,6,1,1,8,1,1,10,1,1,12,1,1,14,1,1,16,・・・]
と書け、数字の出方が自然数順になっていることがわかります。
しかし、πの連分数展開
π=[3;7,15,1,292,1,1,1,2,1,3,1,14,2,1,1,2,2,2,2,1,84,2,1,1,15,3,13,1,4,2,6,6,99,1,2,2,6,3,5,1,1,6,・・・]
にはなんの規則性も見あたらないようにみえます。
πに現れる数字0〜9については、重複対数の法則と呼ばれるランダムウォークに基づく非常に厳しいランダムネス検定にも十分合格することが確かめられています。πには少なくとも何進法かの表現の下でなにか隠された未発見の規則性があるに違いないと信じている人もいますが、現在のところ、πは最も複雑な数なのです。
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