■数直線上の集合(その16)
フィボナッチ数列ではn→∞につれて,隣り合う2項の項比
f(n)/f(n+1)→1/φ
となる.
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フィボナッチ数はヒマワリの花芯にみられる螺旋状の配列にも出現する.時計回りと反時計回りの2方向の螺旋(対数らせん・等角らせん)を数えると,連続したフィボナッチ数になるのである.通常,ヒマワリの花芯では21本と34本かあるいは34本と55本になる.多数の対数らせんが絡み合って魅惑的なパターンの花芯となるのである.
また,植物では成長するにつれて葉に当たる日光の量が最大になるように,葉を茎にうまく配置する必要がある.上下の葉がぴったり重なっていたら,下の葉には日光が全く当たらなくなってしまうからである.
葉序(phyllotaxis)というのは葉の配置を論ずる学問であるが,最善の配置をもたらす角度(開度)は
360×1/(1+φ)=360×1/φ^2=137.5°
360×φ/(1+φ)=360×1/φ=222.5°
である.137.5°という角度は「黄金角」と呼ばれている.つまり,黄金角は360°を1:φに内分したものである.
植物の葉が真上に重なり合うよう成長すると他の葉が必要とする日光,雨や酸素を遮ってしまうから,明白な数学的条件に従っているというわけである.
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開度を時計回り,反時計回り併せて,0〜1/2で表現する.つまり,2/3は1/3で表されることになる.
これがシンパー・ブラウンの葉序列で,n→∞につれて,二つ先のフィボナッチ数
f(n)/f(n+2)→1/φ^2
に収束することになる.
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