■数直線上の集合(その5)

 (その4)を具体的に書いてみる.

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[1]第1の点を,線分を1/1に分けた区間にはいるように打つ.=長さ1の線分のどこかにひとつ点を打つ.

[2]第2の点を,線分を1/2に分けた区間に2つの点がそれぞれはいるように打つ.すなわち,もう一つの点を,最初の点も含めて2つの点がそれぞれ自分の側の1/2の区間にはいるように点を打つことは簡単である.

[3]第3の点を,線分を1/3に分けた区間に3つの点がそれぞれはいるように打つ.これができるためにはすでに打ってある2つの点が線分の中央の1/3の区間にはいっていてはいけない.

[4]第4の点を,線分を1/4に分けた区間に4つの点がそれぞれはいるように打つ.

 このようなことを続けていくことができるだろうか? これに対する答えが,バーレカンプ・グラハムの定理(1970年)である.

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[Q]任意のkに対し,a1,a2,・・・,akがそれぞれ異なった区間

  [(i−1)/k,i/k],i≦k

にあるという性質を満たすn個の整数a1,a2,・・・,an(0<a1<a2<・・・<an<1)が取れる最大のnは?

[A]17個(18個以上の点を配置することは不可能である)

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 なお,

  1/1+1/2+・・・+1/17=3.43955

  1/1+1/2+・・・+1/17+1/18=3.49511

 コラム「シンク関数の積分」で述べたような,Σk<2のときπ/2となるといった関係はないのだろうか? すなわち,k=1/(2i+1)の場合,第6項までだと

  1+1/3+・・・+1/13<2

だが,第7項まででは

  1+1/3+・・・+1/13+1/15>2

また,k=1/(3i+1)の場合,第10項まで計算しても

  1+1/4+・・・+1/28+1/31<2

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