■デューラーの八面体(その9)
デューラーによる有名な銅版画「メランコリア」には菱面体のふたつの頂点を切頂した八面体が描かれている。
この八面体の謎解きについてはいまだに熱い議論の的となっている。
イメージミッション社の前畑様より、メランコリーの画像と、デューラーの生家の画像をいただいたので掲載する。この八面体にはぼんやりと頭蓋骨が浮かんでいて、その意味について多くの憶測を生み出してきた。画像では、うっすら顔(ドクロ?)のようなものが見えるような気がしますが、悩ましい・・・
まわりにはいろいろな意味ありげな幾何学的な図形が散らばっていて、4x4魔方陣の数字の配置から製作年は1514年ごろと推測されている。
母が世を去った1514年に完成された有名な銅版画である。
===================================
デューラーは当時流行していた疫病・ペストから逃れるために、出身地ニュルンベルグをはねれ、ヴェネチアやボローニャを訪問しました。
そこで透視図法を習得、故郷のニュルンベルグへ戻ったのち、いろいろな画家たちにそれ「アルベルティの窓」を紹介しヤムニツァーをはじめとする美術家たちに多大な影響を与えました
ルネサンス時代に発明された印刷術の中心は1560年代という極めて短い期間のドイツのニュルンベルクという非常に限定された場所にあったとのことである。
===================================
(佐藤)以前、前畑さんがニュルンベルグのデューラー美術館で版画「メランコリア」を購入されたと記憶しています。
最近、その中にある多面体にドクロが浮かび出るという話を聞きました。しかし、ネットで見てもサイズが小さくて真偽がわかりません。もし大きなサイズのものをお持ちでしたら確かめていただけませんか?
(前畑)デューラー美術館では、版画ではなく、メランコリアの絵葉書を何枚か求めました。今手元にあるかどうかわかりませんが、家にあれば見てみます。
ドクロが出るのですか? 絵葉書のサイズでは、きっと分からないかと思いますが、探してみます。
(前畑)絵葉書は見つかりましたので、お送りしました。
デューラーの生家を訪れたのは、2013年のことで、もう10年にもなります。その時撮った画像がありましたので、お送りしてみます。
ミュージアムのようになっていて、その向えに小さなショップがありました。画像では、うっすら顔(ドクロ?)のようなものが見えるような気がしますが、もしそうだとすると骨格からいってデューラー自身でしょうか?
(佐藤)ドクロは母親ということだそうです
(前畑)そうなんですか、作品の解説にも、ちょうどそのころ母親をなくしたという記述があったように思います。生家には、当時住まわれていた時の様子が再現されており印象に残っています。
ニュルンベルグは、いつもトイフェアの合間にちょこっとしか見学できませんでしたが、色々な歴史をもつ都市ですね。たしか、デュラーの名前を冠したホテルもありました。
お知らせいただき、ありがとうございました。ドクロには気づきませんでした。
(佐藤) 作品が完成したのが1514年であることは魔方陣からわかるのだそうですが、同年、母親の死去と重なってゆううつ気分が作品に表されているのだそうです。
ニュルンベルグは1560年代,印刷や出版、それに伴う絵画、特に透視図法で世界の中心都市であったとされています。
===================================