■アステロイド(その4)

 藤原松三郎の「微分積分学」の練習問題の中にアステロイドの体積と表面積を求めよというのがあった(下巻 321ページ 問題46).

  x^(2/3)+y^(2/3)+z^(2/3)=a^(2/3)ノ体積及ビ体積ヲ求メヨ。

(本に載っている解答 体積 4/70πa^3 表面積 17/12 π a^2)

(渡利先生からうかがっていた問題をやっとみつけた)  (阪本ひろむ)

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 すでに、アステロイドの表面積をMathematicaでもとめたが、今回、おそるおそる、Mathematicaで体積を求めてみた。答えはあっというまに得られた。(一応、普通の学生が筆算で求められるほどの計算である)

答え 体積 3/70πa^3

 私は体積の計算の方が、表面積の計算よりも大変だとおもって,びびって挑戦をあきらめていたが、表面積の計算より遥かに簡単であった。

 そもそもJacobianの形が、とても簡単なのである。むろん、筆算の場合、この行列式の計算はそれなりに手がかかるのであるが、変数を分離して一気に計算できるのである。

 藤原松三郎の本の答えは、誤植だと思う。(分母と分子が偶数なのに通分しないのが不自然 3と4とを植字のときとりちがえたのだろう)

 渡利千波先生が、「藤原松三郎の本の結果がおかしい」とおっしゃっていたのは、体積の答えのことであろう。長い年月がたつ間に、体積と表面積が、私の記憶の中で置き換わったのだろう。

 Mathematicaのノートブック(表面積と体積の計算)を添付する。

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