■プラトンとペンタグラム(その8)
プラトンは先達であるピタゴラス同様、幾何学的形態に魅了されていて、アカデメイアの門の看板に「幾何学を知らざるものはこの門をくぐるべからず」という言葉を掲げていた。
正多面体はピタゴラス学派には神秘的完全性の象徴のように見え,ギリシャの自然哲学者はこれらを5元素と対応させている。古代、物質は土、空気、火、水で構成されていると考えられていた。プラトンの立体のうち、土は立方体、空気は正八面体、、火は正四面体、水は正20面体とされ、残る一つ、正12面体は宇宙全体の形であると考えられた。
正20面体、正八面体、正四面体、立方体の4つは、2枚の基本的直角三角形つまり、現在ある2枚1組の三角定規・・・普段使っている三角定規には2種類ある.辺の長さの比1:1:√2と1:√3:2であるが,角度は30°,45°,60°,90°と何かと都合がよい・・・の直角三角形で構成される。基本的な直角三角形では構成できない残り一つの異端児が正12面体であり、正12面体は宇宙そのものを表現する究極の正多面体なのである。
天文学者のケプラーはその著書「宇宙の神秘」において,幾何学の2つの至宝と称してピタゴラスの定理と黄金比をあげています.ピタゴラスの定理からは立方体,正四面体,正八面体,黄金比からは正十二面体と正二十面体が作られると考えてそのように述べているのです.
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