■プラトンとペンタグラム(その2)
プラトンはプラトンの正多面体(正4面体,立方体,正8面体,正12面体,正20面体)を遺し数学に貢献したが,若いころ,イタリアにピタゴラス学派を訪ね,幾何学の真価を知ったといわれている.そして,アテネに戻ると哲学塾の入り口に「幾何学を知らざる者はこの門を通るべからず」という看板を掲げた.
ところで,正五角形に対角線を描き入れると星形五角形(ソロモンの星)ができる.正五角形と星形五角形の入れ子はペンタグラムと呼ばれ,ピタゴラス派のシンボルマークであったことはよく知られている.
しかし,この図形が4次元正単体の2次元投影図であることを知っている人は少ないだろう.そこで格言,「この五角形が4次元正単体に見えぬ者は高次元幾何学の門をくぐるなかれ」
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数学の世界には,ごく稀ですが,4次元や高次元の世界をイメージできる人がいます.たとえば,ペトリーは子供の頃から数学に対する異常な能力を示し,4次元図形を直観的に見ることができたといわれています.
しかしながら,3次元の世界を視覚化できるだけでも十分に希有な能力であって,数学者であっても2次元のイメージで何とかやっている人がほとんどです.
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