■ファウルハーバーの問題(その1)
ファウルハーバーは対数の使用を率先して始め、代数に関する論文を執筆するかたわら、ケプラーと協力して働き、デカルトにも影響を与えた重要な数学者と考えられている
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ファウルハーバーの定理は,ピタゴラスの定理の拡張である.各辺(a,b,c)と空間対角線dの直方体では
a^2+b^2+c^2=d^2
が成り立つが,ファウルハーバーは直角三角形の辺の長さの2乗を,直角三角錐の面の面積の2乗に拡張した.
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【1】ファウルハーバーの定理
辺(p,q,r)が1点において直交する四面体において,3つの面の面積をa,b,c,斜面の面積をdとすると
a^2+b^2+c^2=d^2
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【2】ファウルハーバーの定理の任意の次元nへの一般化
n+1個のファセットをもつn次元直角錐体において,n個のファセットのn−1次元体積の2乗和は,斜ファセットの体積の2乗に等しい.
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【3】ファウルハーバーの多項式
一方,ファウルハーバーの多項式はベルヌーイのベキ和公式と関係している.ベキ和の公式
S(s,n)=Σk^s =1^s +2^s +3^s +・・・+n^s
は
Σk=n(n+1)/2=N
Σk^2 =n(n+1)(2n+1)/6
Σk^3 =n^2 (n+1)^2 /4
Σk^4 =n(n+1)(2n+1)(3n^2 +3n−1)/30
Σk^5 =n^2 (n+1)^2 (2n^2 +2n−1)/12
Σk^6 =n(n+1)(2n+1)(3n^4 +6n^3 −3n+1)/42
Σk^7 =n^2 (n+1)^2 (3n^4 +6n^3 −n^2 −4n+2)/24
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ですから,左辺は,sが偶数のときn(n+1)(2n+1)(多項式)/(整数),1以外の奇数のときn2 (n+1)^2 (多項式)/(整数)と書くことができます.また,Σk^s は(s+1)次の多項式になり,最高次数の係数は1/(s+1)です.
ベルヌーイはこの式の列を見て,次のようなパターンを発見しました.それを一般式の形で書くと,Σk^s は
S(s,n)
=1/(s+1){B0n^(s+1)+(s+1,1)B1n^s+・・・+(s+1,s)Bsn}
=1/(s+1)Σ(K=0-s)(s+1,k)Bk(n+1)^(s+1-k)
とBn を含む式で表すことができます.
sが奇数のとき,S(s,n)は
Σk=n(n+1)/2=N
の多項式(ファウルハーバーの多項式)であることが知られています.
Σk^3 =n^2 (n+1)^2 /4=N^2
Σk^5 =n^2 (n+1)^2 (2n^2 +2n−1)/12=(4N^3−N^2)/3
Σk^7 =n^2 (n+1)^2 (3n^4 +6n^3 −n^2 −4n+2)/24=(6N^4−4N^3+N^2)/3
また,sが偶数のとき,S(s,n)はN多項式と(2n+1)の積となることが知られています.
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