■アリスタイオスの証明(その8)
紀元前320年、アリスタイオスは「5つの正多面体の比較」という本を出し、その中で
「正12面体と正20面体が同一の球に内接するとき、正12面体の5角形と正20面体の3角形は同じ円に内接する」
ことを証明した。計算して確かめてみたい。
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dを球の直径、sを内接する正多面体の辺の長さとすると
(a)正四面体:d^2=3/2・s^2
(b)正八面体:d^2=2・s^2
(c)立方体:d^2=3・s^2
(d)正20面体:d^2=(5+√5)/2・s^2
(e)正12面体:d^2=3(3+√5)/2・s^2
改めて計算しなおしてみると
(d)正20面体では横幅^2=4φ^2,s^2=3
d^2=4φ^2+(φ^2-2)^2=4φ^2+1/φ^2=4φ+4-φ+2=3φ+6=3√5φ
d^2/s^2=√5φ=(5+√5)/2が成り立つ
(e)正12面体では横幅^2=4φ^2,s^2=√5/φ
d^2=4φ^2+(φ^2-2)^2=4φ^2+1/φ^2=4φ+4-φ+2=3φ+6=3√5φ
d^2/s^2=3φ^2=3(3+√5)/2が成り立つ
単位円に内接する5角形と3角形の辺の長さはそれぞれ
s12=2sin36={(10-2√5)^1/2}/2
s20=2sin60=√3
(5+√5)/2・3=3(3+√5)/2・{(10-2√5)}/4は成り立つだろうか?
(5+√5)=(3+√5)・{(10-2√5)}/4・・・OK
単位円に外接する5角形と3角形の辺の長さはそれぞれ
s12=2tan36=2{(5-2√5)^1/2}
s20=2tan60=2√3
(5+√5)/2・12=3(3+√5)/2・4{(5-2√5)}は成り立つだろうか?
(5+√5)=(3+√5){(5-2√5)}・・・NG
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同じく双対の
「正8面体と正6面体が同一の球に内接するとき、正8面体の3角形と正6面体の4角形は同じ円に内接する」
は成り立つだろうか?
単位円に内接する5角形と3角形の辺の長さはそれぞれ
s6=2sin45=√2
s8=2sin60=√3
(b)正八面体:d^2=2・s^2
(c)立方体:d^2=3・s^2
であるから成り立つことがわかる
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直径2の円に内接する正八面体の1辺は√2
(b)正八面体:d^2=2・s^2
が成り立つ
直径√3の円に内接する正六面体の1辺は1
(c)立方体:d^2=3・s^2
が成り立つ
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(a)正四面体:d^2=3/2・s^2を検してみたい。
1辺の長さ2の正四面体を考える
頂点・辺心・面心を結ぶ直角三角形(√3、√3/3、H)をかんがえる、
H^2=3-1/3=8/3
RはHの3/4であるから
R=√(8/3)・3/4=√(3/2)
d=2R=√6
s=2
d^2=3/2・s^2が成り立つ
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