■ケプラーと正多面体(その20)
紀元前320年、アリスタイオスは「5つの正多面体の比較」という本を出し、その中で
「正12面体と正20面体が同一の球に内接するとき、正12面体の5角形と正20面体の3角形は同じ円に内接する」
ことを証明した。
同じく双対の
「正8面体と正6面体が同一の球に内接するとき、正8面体の3角形と正6面体の4角形は同じ円に内接する」
も成り立つ。
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ほぼ同時代のユークリッドは、この仕事に刺激を受けて、すべての平面図形と立体図形に共通する幾何学を作り上げた。
そして、史上最初の総合的・論理的幾何学書「原論」をまとめあげた。
ユークリッドは「原論」の最後の1巻で,正多面体は5種類しか存在し得ないことを証明している。
原論の最後の第13巻には18個の定理に交じって、5つの正多面体を球に内接させる方法が説明されているという。これをもってユークリッドが正多面体の持つ宇宙論的な意味を「原論」の中で証明しようとしたと考える研究者もいる。
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ケプラーはプラトンの正多面体はどれもが球に内接かつ外接できることに注目し、内接球あるいは外接球が惑星の軌道を決めると考えた。
そして、内側から正20面体、正八面体、正四面体、立方体、正12面体の5個の正多面体が入れ子状に配列された有名な宇宙モデルを考えた。(下図は水星と金星の間に正八面体、金星と地球の間に正20面体、地球と火星の間に正12面体、火星と木星の間に正四面体、木星と土星の間に立方体が配置されているというものであった)
この考えは観測値と合致せず、失敗に終わったが、宇宙は秩序を持っているという確信を捨て去ることはなかった…
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ケプラーは当時知られていた水星・金星・地球・火星・木星・土星の6つの惑星の軌道に関する神聖幾何学的図式を「地動説」に基づいて提案したのであるが、コペルニクスの地動説を公然と擁護したことはいまや有名である。
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