■アリスタイオスの証明(その5)

紀元前320年、アリスタイオスは「5つの正多面体の比較」という本を出し、その中で

「正12面体と正20面体が同一の球に内接するとき、正12面体の5角形と正20面体の3角形は同じ円に内接する」

ことを証明した。計算して確かめてみたい。

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dを球の直径、sを内接する正多面体の辺の長さとすると

(a)正四面体:d^2=3/2・s^2

(b)正八面体:d^2=2・s^2

(c)立方体:d^2=3・s^2

(d)正20面体:d^2=(5+√5)/2・s^2

(e)正12面体:d^2=3(3+√5)/2・s^2

改めて計算しなおしてみると

(d)正20面体では横幅^2=4φ^2,s^2=3

d^2=4φ^2+(φ^2-2)^2=4φ^2+1/φ^2=4φ+4-φ+2=3φ+6=3√5φ

d^2/s^2=√5φ=(5+√5)/2が成り立つ

(e)正12面体では横幅^2=4φ^2,s^2=√5/φ

d^2=4φ^2+(φ^2-2)^2=4φ^2+1/φ^2=4φ+4-φ+2=3φ+6=3√5φ

d^2/s^2=3φ^2=3(3+√5)/2が成り立つ

単位円に内接する5角形と3角形の辺の長さはそれぞれ

s12=2sin36={(10-2√5)^1/2}/2

s20=2sin60=√3

(5+√5)/2・3=3(3+√5)/2・{(10-2√5)}/4は成り立つだろうか?

(5+√5)=(3+√5)・{(10-2√5)}/4・・・OK

単位円に外接する5角形と3角形の辺の長さはそれぞれ

s12=2tan36=2{(5-2√5)^1/2}

s20=2tan60=2√3

(5+√5)/2・12=3(3+√5)/2・4{(5-2√5)}は成り立つだろうか?

(5+√5)=(3+√5){(5-2√5)}・・・NG

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同じく双対の

「正8面体と正6面体が同一の球に内接するとき、正8面体の3角形と正6面体の4角形は同じ円に内接する」

は成り立つだろうか?

単位円に内接する5角形と3角形の辺の長さはそれぞれ

s6=2sin45=√2

s8=2sin60=√3

(b)正八面体:d^2=2・s^2

(c)立方体:d^2=3・s^2

であるから成り立つことがわかる

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直径2の円に内接する正八面体の1辺は√2

(b)正八面体:d^2=2・s^2

が成り立つ

直径√3の円に内接する正六面体の1辺は1

(c)立方体:d^2=3・s^2

が成り立つ

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