■ケプラーと正多面体(その7)

古代、物質は土、空気、火、水で構成されていると考えられていた。プラトンの立体のうち、土は立方体、空気は正八面体、、火は正四面体、水は正20面体とされ、残る一つ、正12面体は宇宙全体の形であると考えられた。

正20面体、正八面体、正四面体、立方体の4つは、2枚の基本的直角三角形つまり、現在ある2枚1組の三角定規・・・普段使っている三角定規には2種類ある.辺の長さの比1:1:√2と1:√3:2であるが,角度は30°,45°,60°,90°と何かと都合がよい・・・の直角三角形で構成される。基本的な直角三角形では構成できない残り一つの異端児が正12面体であり、正12面体は宇宙そのものを表現する究極の正多面体なのである。

ケプラーはプラトンの正多面体はどれもが球に内接かつ外接できることに注目し、内接球あるいは外接球が惑星の軌道を決めると考えた。

そして、内側から正20面体、正八面体、正四面体、立方体、正12面体の5個の正多面体が入れ子状に配列された有名な宇宙モデルを考えた。(下図は水星と金星の間に正八面体、金星と地球の間に正20面体、地球と火星の間に正12面体、火星と木星の間に正四面体、木星と土星の間に立方体が配置されているというものであった)

この考えは観測値と合致せず、失敗に終わったが、宇宙は秩序を持っているという確信を捨て去ることはなかった…

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ケプラーによる惑星軌道の最初の幾何学的試みでは、正三角形から正七角形までの5個の正多角形を、同心の6個の外接円・内接円のなかに外側から次々と押し込んでいった平面的図式が考えられていた。そして、6つの円上を6つの惑星が動くと考えた。当時知られていたのは水星・近世・地球・火星・木星・土星の6つの惑星である。外側から円・正三角形・円・正方形・円・正五角形・円・正六角形・円・正七角形・円

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