■ケプラーと正多面体(その6)
ケプラーによる惑星軌道の最初の幾何学的試みでは、正三角形から正七角形までの5個の正多角形を、同心の6個の外接円・内接円のなかに外側から次々と押し込んでいった平面的図式が考えられていた。そして、6つの円上を6つの惑星が動くと考えた。当時知られていたのは水星・近世・地球・火星・木星・土星の6つの惑星である。
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外側から円・正三角形・円・正方形・円・正五角形・円・正六角形・円・正七角形・円・・・
半径R3=1の円がある.その円に正三角形を内接させる.その三角形に半径r3の円を内接させる.その円に正方形を内接させる.その正方形に半径r4の円を内接させる.その円に正五角形を内接させる.その正五角形に半径r5の円を外接させる・・・.正多角形は内側にいくほど小さくなるが,無限に小さくなるか?
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Rn/rn=1/cos(π/n)
ΠRi/ri=Π1/cos(π/i)
n→∞のとき,1/cos(π/n)→1となるのは,おなじみの内接(外接)する正多角形の辺の数→∞のとき,その多角形の周長の上限(下限)が円周の長さであることを表している.
ここで
1=R3,r3=R4,r4=R5,r5=R6,・・・
より
Rn=r3Π1/cos(π/i) (i=3~n)
実際に無限乗積Π1/cos(π/i)の計算をしてみると,8.70に収束した.
Π1/cos(π/i)→8.70
rn→R3/8.70
無限に小さくなっていくように思えるが,実際には下限があって,最初の円R3のおよそ1/9倍を超えることはできないのである.
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