■星形多面体のクリスマス飾り(その7)
【8】双対多面体の入れ子構造
正多面体の各面の中心(重心)を順に結んで立体を作ると,もとの正多面体と面と頂点の関係が逆向きの正多面体ができます.互いに表と裏の関係にある多面体を双対多面体といいます.正四面体ではふたたび正四面体ができ,正六面体では正八面体が,逆に正八面体では正六面体が,また,正十二面体では正二十面体が,逆に正二十面体では正十二面体ができます.
したがって,正四面体は自己双対であり,正六面体と正八面体,正十二面体と正二十面体とは互いに双対です.このことにより,正多面体は,{正四面体},{正六面体と正八面体},{正十二面体と正二十面体}の3つのグループに大別することができます.
3種類の相貫体−−正4面体と正4面体,立方体と正8面体,正12面体と正20面体−−について調べてみると,それぞれの立体の間に双対関係があり,3種類の相貫体の外側にできる立体と内側にできる立体−−立方体と正8面体,菱形12面体と立方8面体,菱形30面体と12・20面体も互いに双対関係をもっていることがわかります.菱形12面体と菱形30面体は内接球をもつのに対して,立方8面体と12・20面体は外接球をもちます.
そして,これらもやはり相貫体をつくることができ,そしてまたそこに現れてくる外側と内側の立体も双対関係になっています.頂点と面に関しての双対性にはうまくできているなと感嘆させられます.自然界の法則性,自然が作るきれいな関係の1例といえましょう.
===================================