■フラクタル次元(その19)
ヒルベルト曲線(ペアノ曲線)のハウスドルフ次元を計算するとlog4/log2=2である。
d=2をもつ・・・これは極限でヒルベルト曲線が単位正方形内のすべての点を通ることを意味する(平面充填曲線)
しかも自己交差しない曲線になるのである。
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x=x(t),y=y(t) (0≦t≦1)
はひとつの曲線を定義すると考えられていたが,1890年,ペアノは面積を充填する曲線を発見した.その驚きは非常に大きかった.
f(t)=0 (0≦t≦1/3)
f(t)=3t−1 (1/3≦t≦2/3)
f(t)=1 (2/3≦t≦1)
この定義をすべての実数tに拡張して,f(t)は周期2の周期的偶関数とする.
f(−t)=f(t),f(t+2)=f(t)
tがΓに含まれるとき,この関数の重要な性質はΓ上で恒等式
t=Σ(0,∞)2f(3^nt)/3^n+1
an=f(3^nt)=0または1
が成り立つことである.
このことを用いると,t(0≦t≦1)をΓに制限してもペアノ曲線が正方形や立方体を覆うことができるいたるところで微分不可能な連続曲線であることが証明されるのである.
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【1】ペアノ曲線
[1]線分を覆うことができる平面充填ペアノ曲線
x(t)=Σ(0,∞)f(3^nt)/2^n+1=Σ(0,∞)an/2^n+1
[2]正方形を覆うことができる平面充填ペアノ曲線
x(t)=Σ(0,∞)f(3^2nt)/2^n+1=Σ(0,∞)a2n/2^n+1
y(t)=Σ(0,∞)f(3^2n+1t)/2^n+1=Σ(0,∞)a2n+1/2^n+1
[3]立方体を覆うことができる空間充填ペアノ曲線
x(t)=Σ(0,∞)f(3^3nt)/2^n+1=Σ(0,∞)a3n/2^n+1
y(t)=Σ(0,∞)f(3^3n+1t)/2^n+1=Σ(0,∞)a3n+1/2^n+1
z(t)=Σ(0,∞)f(3^3n+2t)/2^n+1=Σ(0,∞)a3n+2/2^n+1
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