■形の学校・空間充填多面体(その1)
誰でも幼少時にレゴブロックで遊んだことがあるに違いない.レゴの基本単位を次々につけ足していくと自動車になったり,飛行機になったり・・・基本単位が大きいため,少し目線を引いて遠くから眺めなければ滑らかな形には見えないが,できあがった概形は四角形にも六角形にも不定形にもなり得るのである.その意味で,レゴ・ブロックはすべての形の素と考えられる.
自然界にもレゴ・ブロックに相当するものが存在する.自然界のレゴ・ブロックの概念は,はじめディリクレによって2次元で提出され(ディリクレ領域,1850年),その後,ボロノイによって3次元に拡張された(ボロノイ領域,1908年)。研究分野によりいろいろな呼び名が使われているが,それは生物・無生物を問わず存在し,生物の場合は細胞であるし,結晶学分野ではウィグナー・ザイツセルという呼び名も用いられている.細胞(セル)の図と非常に似ているためであろう.
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