■形の学校・和と洋の対比(その5)
和算には○△□が頻繁に登場するが、紋様(家紋)のデザインと関係していると思われる.
算額とは,神社や仏閣に吊るされる主として幾何学的な問題の描かれた木札である.17世紀から19世紀までに何千という数の算額が奉納された.証明や解答を木札に書いて社に吊るすことは奉納だけでなく,成果を宣伝する意味もあった.今日でいえば学会発表や論文投稿に相当するものだろう.
数学の問題を神社仏閣に奉納した「算額」には円や球,三角形に関した幾何の問題が多くあるが,これらはきれいに彩色され,日本人は算額の中に造形に対する鋭い感覚を生み出していたと考えられる.すなわち、「算額」は数学と芸術が一体化したものと考えられるから,数学的な出版物というよりは芸術的な文化遺産である.
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