■形の学校・輪転曲線(その2)
逆問題
円形の車輪の中心に車軸がある場合,車軸は常に地面から一定の高さに保たれている.しかし,四角形の中心に車軸をつけて回転させても地面から車軸までの高さは一定には保たれない.ここで発想を転換させて,地面を変形させて車軸が一定の高さを保ったまま移動させることを考える.
タイヤが歪んでいるとき,平らな道の上を滑らかに転がることができません.しかし,逆に考えると,歪んだタイヤでも凸凹具合によっては滑らかに転がることができる道があるはずです.米国のスタン・ワゴン教授は四角い車輪を転がすには地面がどんな形をしていればよいか発想を転換したのですが、ここではある曲線に付帯する定点(回転軸)が水平線を描く場合の基線となる曲線を求めることにします
[Q]四角い車輪の場合、でこぼこ道の形は?
正方形の中心が直線を描く場合の基線は、懸垂線を上下逆にしていくつか並べた曲線となります.隣り合うアーチが谷で出会ってできる角度は直角になる.
ちなみに,三角の車輪でも五角の車輪でも地面のなす曲線は懸垂曲線が連なった形である.その際,隣り合うカテナリーが谷で出会ってできる角度は(1−2/n)πになる.
[A]懸垂線をつないだ曲線.
正方形が直線上を回転するとき,正方形の頂点が回転軸となるため,正方形の中心は中心角π/2の円弧を連ねた曲線を描きますから、これにより,直線上を転がる正方形の中心の描く軌跡と,正方形の中心が直線を描く場合の基線は一致しないことが確かめられます。
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