■同じ円に内接するいくつかの正多角形(その7)

 cos(π/7)は8x^3−4x^2−4x+1=0に帰着するのに対して,cos(2π/7)は8x^3+4x^2−4x−1=0に帰着する.

 係数の符号が異なるが,前者ではθ=π/7,cosθ=xとおくと

  7θ=π,4θ=π−3θ

より,

  cos4θ=−cos3θあるいはsin4θ=sin3θ

 後者では

 θ=2π/7,cosθ=xとおくと

  7θ=2π,4θ=2π−3θ

より,

  cos4θ=cos3θあるいはsin4θ=−sin3θ

となるからである.

 この事情はcos(π/5)とcos(2π/5),cos(π/9)とcos(2π/9)でも同様である.

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 cos(π/7)が3次方程式:8x^3−4x^2−4x+1=0の解として得られる.

  x=1/6{1+√7cos(1/3arctan3√3)+√21sin(1/3arctan3√3)}=0.900969

 7倍角の公式

  cos7θ=64cos^7θ−112cos^5+56cos^3−7cosθ

において,θ=π/7,cosθ=xとおくと

  64x^7−112x^5+56x^3−7x=−1

7次方程式の解として得られるというものであるが,3次方程式に還元するうまい手があるはずである.

 たとえば,sin(π/10)を求めるのに,θ=π/10とおくと

  5θ=π/2,3θ=π/2−2θ

より,

  cos3θ=sin2θあるいはsin3θ=cos2θ

こうすれは5次方程式を解く必要はない.

 前者は

  4cos^3θ−3cosθ=2sinθcosθ

  4cos^2θ−3=2sinθ

  4sin^2θ+2sinθ−1=0

より2次方程式に帰着する.

 後者は

  −4sin^3θ+3sinθ=1−2sin^2θ

となって,3次方程式が現れる.それでも

  (sinθ−1)(4sin^2θ+2sinθ−1)=0

と因数分解すれは同じ2次方程式に到達する.

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 θ=π/7,cosθ=xとおくと

  7θ=π,4θ=π−3θ

より,

  cos4θ=−cos3θあるいはsin4θ=sin3θ

 前者は4次方程式

  8cos^4θ−8cos^2θ+1=−4cos^3θ+3cosθ

後者は

  8sinθcos^3θ−4sinθcosθ=−4sin^3θ+3sinθ

  8cos^3θ−4cosθ=−4sin^2θ+3

  8cos^3θ−4cosθ=4cos^2θ−1

より3次方程式:8x^3−4x^2−4x+1=0に帰着するというわけである.

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