■仙台発祥の2つの数学問題(その3)
ところが、その予想に反して、1927年、ベシコヴィッチが面積を限りなく0に近づけることのできる図形を構成した。
驚愕の結果であった。この直観に反する結果はベシコヴィッチ・ショックと呼んでよいものであろう。
定理(Besicovitch,1927)
For given ε>0, there exists Kakeya set of area less than ε.
===================================
とはいっても、ベシコヴィッチ集合の直径は巨大なものになってしまう。
もし、集合の直径を有限の円に制限したらこの定理は成立しないのでは・・・と考えるのは自然な発想であろう。
ところが、有限円に制限しても同様の定理ば成り立ってしまう。
定理(van Alphen,1941)
For given ε>0, there exists Kakeya set of area less than ε contained inside a circle of radius 2+ε. (circle version of Besicovitch type theorem)
しかも、この定理は後年、単位円にまで改良されてしまうのであった。
定理(Cunnigham,1971)
Improved to simply connected Kakeya set of area less than ε contained inside a circle of radius 1
これで掛谷の問題は終わった…
===================================