■高次元の正多面体(その56)
【1】ヒントンの「第4の次元」
ヒントンは,19世紀終わりから20世紀初めにかけて,ケルビンと同じころのイギリスの数学者である(1853-1907).
ヒントン(宮川雅訳)「科学的ロマンス集」国書刊行会
を読むと,モーリー,ハミルトン,ケイリーの仕事に関する純粋な数学論文も著したが,彼の主要な関心は4次元空間であり,4次元についての最初の著作「第4の次元とが何か」が発表されたのは1880年,ヒントンが27才のときのことだったとある.
テッサラクト(4次元立方体)は彼の造語であり,ペンネームでもあった.お雇い外国人数学者として日本(横浜山手)に滞在していたという記録も残されている.また,ヒントンは4次元空間の1種類だけの多胞体による空間充填図形として,3次元の六角柱と切頂八面体を組み合わせた30胞体を提案していたとのことである.
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