■高次元の準正多面体(その2)

【1】準正多面体とその高次元版

 準正多面体(アルキメデス立体)は,正多面体(プラトン立体)と同じ回転対称性をもちながら2種類以上の面が規則的に配列されている立体である.アルキメデスの立体は13種類あり,11種類は正多面体と同じ回転対称性と鏡映対称性をもち,2種類は正多面体と同じ鏡映対称性をもたないねじれ型である.準正多面体は外接球と稜接球をもつが内接球はもたない.

 正多面体の各辺の中点を頂点とする準正多面体に立方八面体と12・20面体がある.前者は立方体と正八面体,後者は正12面体と正20面体の中間に位置する準正多面体である.3次元正多面体の切頂によって,2種類の正多角形からなる準正多面体ができるが,切頂の深さがその頂点と辺の中点との間にあるもの,辺の中点にあるもの,辺の中点を越えたものがあり,結局,ひとつの正多面体からそれに双対な正多面体に至るまで3段階の準正多面体があることになる.

 たとえば,

  立方体←→切頂立方体←→立方八面体←→切頂八面体←→正八面体

  正12面体←→切頂12面体←→12・20面体←→切頂20面体←→正20面体

と3段階を経過して変化する.

 しかし,自己双対な正四面体の場合は

  正四面体←→切頂四面体←→正八面体←→切頂四面体←→正四面体

となり,2種類の多面体が繰り返しながら現れるのみである.このように正四面体は厄介な存在なのである.

 石井源久・山口哲「高次元図形サイエンス」(京都大学学術出版会)では稜の中点に頂点を置くものを準正型(狭義の準正多面体)とし,それ以外の切頂型を切頂型(狭義の半正多面体)としている.この意味で13種類あるアルキメデス立体をさらに分類してみると

  (1)準正型:2種類(立方八面体,12・20面体)

  (2)切頂型:5種類(切頂四面体,切頂立方体,切頂八面体,切頂12面体,切頂20面体)

  (3)準正多面体の切頂型:2種類

  (4)添加型:菱形立方八面体など2種類

  (5)ねじれ型:ミラーの多面体など2種類

となる.

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