■高次元の正多面体(その49)
「雑感」
ラマヌジャンなど伝説的な数学者の伝記を読むと神がかり的なエピソードがつきものですから,数学者は何でも知っているし何でもお見通しの人種であるとイメージされているかもしれません.実際,数学の世界にはごく稀ですが,高次元の世界をイメージできる人がいます.たとえば,ペトリーは子供の頃から数学に対する異常な能力を示し,4次元図形を直観的に見ることができたといわれています.
しかしながら,3次元の世界を視覚化できるだけでも十分に稀有な能力であって,数学者であっても2次元のイメージで何とかやっている人がほとんどです.一方, 2次元・3次元の定理であっても,次元あげて4次元空間に一般化することによって初めて本質が見えてくることは少なくありません. 2次元・3次元の事象は4次元空間の一断面になっているからです.
高次元では直観は働きにくいので,誰にとっても(無論私にとっても)とっつきにくい代物です.それでも学べばわかるようになりますし,わかればもっと深く知りたくなります(人の努力はなかなか実らないが,決して無駄にはならないものである).
===================================